GPSログ取りの動機と使用機材

ふと、日々の生活のすべてを、GPSでログ取りしたくなった。いつどこにいたかの記録をひたすら取ってみたくなっただけのことであり、深い考えがあるわけではない。

日常生活をひたすら記録するというのは、MyLifeBitsプロジェクト(リンクは梅田望夫氏の「英語で読むITトレンド」にある紹介記事)や、記憶する住宅と同じ発想かもしれない。記録したものをどうするか、あまり見えていないあたりも似ているかもしれない。

GPSのログ取りについては、毎日がえぶりでいというサイトがあるが、旅行時のみのログ取りと思われる。

なにはともあれ、日常の行動をできるだけ妨げずに、思う存分ログ取りできる機材を探した。選定の初期段階(2005年初頭)に、知り合いからGarminのeTrekを借りて試したが、以下の点から自分には向かないと判断した。

  • 電源を入れてから衛星を捕捉するまでの時間(time to first fix)が5分以上、と長すぎる。家を出て、その場で5分立ち止まって衛星の捕捉を待つというのは、毎日できることではない。
  • 感度が悪く、たとえ窓際に置いても室内では衛星の捕捉ができない。上記のtime to first fixが長い問題への対策として、在宅時にも電源を入れて衛星を捕捉し続けておくことができない。
  • ログが10,000ポイントしか取れない。2,3日ごとにログをPCに転送しなくてはいけないのは面倒。
  • 本体が大きく、毎日外に出して持ち歩くには邪魔。毎日この装備(リンクはえぶり氏のサイトから)で出歩くのはつらい。

これらの体験を踏まえて、time to first fixが短く感度が良いSiRFStarIII搭載機、受信部と表示部を分割できるBlueToothタイプ、大容量メモリ(Compact Flashなど)と搭載可能なPocketPCという組合せに落ち着いた。具体的には以下の機材を使っているが、最近はSiRFStar3搭載機も多くなっており、他の選択肢もありそうだ。

記憶媒体としては、当初1GBのSDカードを使っていたが、CPUパワーを食うためか、BlueTooth drop(BlueTooth通信が途切れてしまうこと)が起こりやすく、使用を断念した。英語サイトを検索すると、できるだけ小さい容量のCompact Flashがいいらしい。

半年ほど使った感想だが、SiRF3はさすがの感度。電源を入れてから衛星を捕捉する時間はほとんどの場合に1分未満。受信機をポケットの中に入れていても、車の助手席に置いていても捕捉し続けてくれるので大変便利である。なお、iPAQ4700のバッテリーの持ちはイマイチで、1日中電源を入れっぱなしにすることはできない。遠出するときには、ACアダプタが必須である。筆者は、自動車にもインバーターを積んでいる。